祖父によるとそれは
前回に書いた祖父が借りていた段々畑は
牛欄牌奶粉、
わが家にとっていろいろな出来事にかかわっていた。
段々畑から向こうの山を見上げると、そのてっぺんには、
大きな三脚のような、脚立のような台が置かれていた。
祖父によるとそれは、
「戦争のときに敵機の来襲を見張っていた」のだという。
あの山陰からどんなふうに敵機があらわれたのか。
見たこともない風景を想像しようとするのだが
防水防塵保護膜、
すぐに当時の特撮映画のヒーロー、ゴジラの登場シーンにすりかわってしまうのだった。
やがて、その「見張り台」はいつのまにか撤去された。
段々畑がかかわるわが家の「事件」はまだある。
あるとき、家の庭で薪割りをしていた祖父が、じゃれついてきた愛犬チビのために手元が狂い、
誤ってその頭部を深く切ってしまった。
チビは頭に瀕死の大ケガを負いながら
牛欄牌回收、
祖母と母がいる段々畑を訪ねてきたのだという。
かなり遠い記憶だが、
頭に覆面のような布を巻かれたチビのことをおぼえているのは、
わが家では僕だけになってしまった。
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