彼は男性にし、それもしゃれた物ではなく、おふくろの味のようなお惣菜の味付けが抜群なのだ。イケメンとお惣菜、実にアンバランスな組み合わせだけどそれがまた魅力の一つとなっている。ふたを開けると、それは大根の葉を炒めたものだった。鶏肉と油揚げシイタケの細切りなどと一緒にごま油で炒めたものだ。

「うわ、美味しそう！」「味付けには自信があるんだ。美加が気に行ってくれると嬉しいな」甘辛く炒めて上に柚子の千切りが散らばっている「大根って、実だけ食べる人が多いけど、葉っぱもすごく美味しいんだよ。この大根は葉っぱを食べる大根として売られているんだ。柔らかくてちょっぴりほろ苦くて美味しいよ」私は早速一口食べた。何て美味しいんだろう、大根の葉っぱがこんなに美味しいとは！私は思わず微笑んだ。

これ、持ってくるのは初めてだよね。実はクーラーボックスにいれて車に積み込んでいたんだ」うん、いつも涼太が色んなおかずを作ってくれるからうれしいわ」「結婚しよう」涼太が明るい笑顔で言った。私は思わずうなづいた「指輪じゃなくて大根の葉っぱを食べながらのプロポーズは僕しか出来ないね「ありがとう。どんな贈り物より嬉しいわ。でも結婚したら、いつも涼太がお料理作ってくれるのかしら」